まずはピラティス、お試しください
湧き水に特定の花をうかべ、朝日にあてることによって花の「波動」を水に「転写」させるフラワー・エッセンスとおなじ方法で、花のかわりに宝石を使うのが「宝石エリクシル療法」です。
特定の結晶的性質をもつ宝石の波動エネルギーがフラワー・エッセンスと似たような効果をもたらすといわれています。
アインシュタインやウィリアム・A・ティラーの物理学的な理論と神智学などの秘教的な理論とを折衷したガーバーは、エネルギーや波動の活動単位である「周波数」の帯域に着目して、存在をつぎの七つの階層(界層)に分類しています。
①「物質界」②「肉体/エーテル体接触面」③「エーテル界」④「アストラル界」⑤「メンタル界」⑥「コーザル界」⑦「より高次の霊的エネルギー界」そしてそのすべての階層をつつみこんで共時的に存在するものとして、人間の全体像をモデル化しているのです。
つまり人間とは「七オクターブ以上のピアノの鍵盤を同時に弾き鳴らして精妙な共鳴現象をおこしている超複雑な音のようなもの」だとかんがえたわけですね。
そうすることによってはじめて、たとえば現代医学とオステオパシー大学で教えているオステオパシーはもっぱら①だけに、鍼灸は①から②のあいだに、ホメオパシーや伝統的なオステオパシーは①から③のあいだに、宝石エリクシル療法は①から④のあいだに、フラワー・エッセンス療法は①から⑤のあいだにわたるエネルギーに干渉しながら治療をおこなうものであるといった、統一的な説明を可能にしたのです。
ガーバーのこの試みは、もちろんひとつの仮説でしかありません。
しかし、代替医療をかんがえるばあい、物理学的な理論と秘教的な理論とを折衷するという、無謀ともみえるこうした野心的な試みが、少なくともひとつの参照枠になることは否定できません。
代替医療がいつまでも「非科学的」であることに甘んじているのは、いまの科学という容器の容量があまりにも小さすぎるからだともいえるからです。
伝統医療や体系化された代替療法をはじめ、代替医療の多くがあきらかに有効であり、副作用が少なく、コストが低廉であり、持続可能性が高いものであることは、欧米の研究によってすでに立証されています。
そしていま欧米では、「統合医療」の名のもとに、代替医療と現代医学との統合がはじまっています。
そんな時代にあって、現代医学と代替医療を統一的にかんがえるための枠組みが必要とされていることは、いまさら指摘するまでもありません。
ガーバーの研究を踏み台にして、さらに説得力のある研究が生まれることを期待したいものです。
その枠組みづくりには長い時間がかかるにしても、現代医学と代替医療を統一的にかんがえるためには、少なくとも両者のあいだで通用する、なんらかの共通のことばが必要になります。
キーワードになることばに共通の理解がなければ統合などできるはずがないからです。
ガーバーは「微細エネルギー」または「波動」ということばをキーワードとして統一的な説明を試みたわけですが、そうするためには物理学の用語と秘教的な用語を折衷するという離れわざを必要としました。
「微細エネルギー」「波動」にかわる、もっとわかりやすい、むりのないことばはないものでしょうか?筆者はかつてカリフォルニア州のサンラファエルにある「ATMAグループ」というホリスティックなクリニックを訪問したことがあります。
なだらかな緑の丘陵の中腹にある清潔な建物のなかには静かな音楽が流れ、従来の医療施設のイメージとはまったくべつの、癒しの空間づくりが生かされたクリニックです。
そこは非営利の組織で、鍼灸師、ホメオパシー医、内科医、バイオフィードバック療法家、カイロプラクター兼栄養療法家、女性の健康問題専門家、トランスパーソナル系のセラピスト兼催眠療法家、ボディワーカー(アレクサンダー・テクニーク、へラーワークの専門家)の集団です。
かれらは四人でグループを組み、ひとりの患者の診断・治療にあたっています。
最初に内科医が診断し、患者に緊急をようする症状があれば即座に提携の病院に紹介します。
緊急をようする症状ではない患者には最適な代替療法の組みあわせを勧め、四人の治療家が非侵襲的な治療をおこなうのです。
所長のクリストファー・ギブニー氏に「たがいに異なる言語体系をもつ治療家たちの共通言語はなんですか」とたずねてみました。
ギブニー氏は「いい質問だね」といいながら苦笑しました。
「それが問題なんだよ。
ぼくたちは『生命力』を共通言語として使っている。
それを指標として患者の状態をチェックしあい、それぞれの得意な技法で治療にあたっているんだけれど、『生命力』はだれにも感知できるのに数量化がむずかしくてね。
けっきょく、五感と直観に頼っているというのが現状かな」次章からはしばらく、この「生命力」のダイナミックな表現のひとつである「自発的治癒力」、いわゆる「自然治癒力」についてかんがえてみましょう。
というのも、ほとんどの代替療法に共通する要素、つまりは現代医学とはっきり一線を画している要素をひとつだけあげるとすれば、それは「生命力の存在を認め、自発的治癒力の賦活を目標にしている」ということになるからです。
岩や星も治癒する「治癒がおこるのは生き物だけとはかぎらない。
岩石にも治癒があることはたしかだ」二〇年ほどまえ、アンドルー・ワイルにそう指摘されたとき、治癒が生命に特有の現象だとおもいこんでいた筆者は日からウロコが落ちたような気がしたものでした。
かねてから「治る」ということに関心をもっていた筆者の視野が、そのとき一気にひろがったような気がしたことをおぼえています。
岩石にも「治癒」はおこるが、岩石の時間のリズムは人間のリズムにくらべてあまりに遅いので人間にはその変化がみえないだけなのだ、とワイルはいいます。
アリゾナの砂漠に住んでいるワイルは、ある日、自宅から遠望する山の一部が醜く削られていることに気がつきました。
地元の土建業者がその山の頂きにある自分の山荘に行くためにジグザグの道路をつくり、それが何マイルも離れたワイルの自宅からみえたのです。
ワイルはこういいます。
「いまから何百年間かにわたってあの山を定点撮影し、連続写真としてみてみれば、人間の腕にできた引っかき傷とおなじようにその傷が小さくなって、消えていくのがわかるはずだ。
道路の鋭角的な線は気候と時間の影響で影をひそめ、削りとられた部分には植物が再生して、また緑におおわれていくのがわかるだろう。
それはまさに治癒そのものではないだろうか?」ワイルは、こうもいっています。
「地球からはるか離れた星がひとつ、天文学者が超新星爆発と呼んでいる爆発をおこして、その巨大な破片を宇宙に散乱させたとする。
すると、その星はゆっくりと安定と平衡をとりもどし、傷ついた部分をおおう層を再生して、物質を融合させてはエネルギーに変えるという営みをつづけるだろう。
それもまた、治癒とはいえないだろうか?」ワイルが指摘する「鉱物や星も治癒する」は、たんに知的好奇心を満たす思考実験的な所見ではなく、じっさいに役に立つ、魔術的な知識です。
人間には、ある種の知識を確信するだけで現実にけがや病気にたいする治癒のスイッチがオンになり、治癒が加速されるという、人間特有のふしぎなメカニズムがあることを、ワイルは知っているのです。
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